雑穀の栽培方法まとめ
繊維、ミネラル、ビタミン、ポリフェノールに富む、パーフェクトな栄養バランス食材として近年ますます注目を浴びている雑穀ですが、意外と簡単に育てられるって知っていますか?
雑穀は庭や畑、家庭菜園、そしてプランターでの栽培も可能です。
当ブログでは、雑穀の栽培方法について多くの記事を書いてきましたが、今回はそれらの記事をまとめてみました。雑穀栽培の基本として、種の蒔きかた、育てかた、収穫の仕方、そして雑穀ごとの栽培方法までございます。ぜひご参考になさってください。
雑穀栽培の基本
まずは気軽に始められる雑穀の種の蒔きかた、育てかた、収穫のしかたと、プランターでの栽培方法についてです。これから栽培にチャレンジするという方はぜひこちらからご覧ください。
あわ(粟)の栽培方法
あわは品種が多彩で、国内だけでも100種以上あるといわれています。排水のよい肥沃な土地を好み、湿地を嫌います。根の張りは浅いのですが、乾燥には強いので、山間の畑などでも一定の収穫量が見込めます。
春まき種と夏まき種があるのも特徴で、主に寒冷地や高地では春アワが栽培され、温暖地・暖地では作期によって使い分けられています。
ひえ(稗)の栽培方法
ひえはもともとは温帯性の作物ですが、環境適応力が高く、雑穀の中でも、特に寒さに強いです。「ヒエ」の語源は「冷え」からきているという説もあるほどです。そのため、古くから東北地方や北海道で栽培が盛んでした。また、土壌の乾湿への適応範囲も広く、水田でも畑でも栽培できます。
このように、さまざまな土壌によく順応し、広く根を張ることができるため、吸肥力も旺盛で、痩せた土地でも育ちます。そのため、逆に肥料のやりすぎは倒伏を招きやすく、土壌の栄養管理に注意が必要な、デリケートな作物であるとも言えます。
シコクビエ(ラギ)の栽培方法
マスタードシードそっくりの小さな粒がシコクビエです。英語ではフィンガーミレット、中国では竜爪稗と呼ばれ、その由来は細い茎の先に細い五本の穂がつく姿からの命名です。南インドではラギと呼ばれ、ネパール、インドでは今も重要な主食です。
唯一アルカリ性の穀物で消化の良いでんぷんとして、離乳食や子どもの栄養食に活用できるよう研究が進められています。殻がないので収穫調整が簡単で、粉にひいて食べるのが一般的です。
きび(黍)の栽培方法
中央アジアで広域に栽培されてきたきびは、日本でも弥生時代には栽培されていました。その実がきれいな黄色をしているため、「黄実」「キミ」「キビ」と変化したとも言われます。ウルチ種とモチ種がありますが、もちキビが生育するのは中国、日本などの東アジアだけです。
ヨーロッパというと、ほとんどの人が麦の文化圏と信じているようですが、じつは、小麦は中東から伝わった食で、庶民の主食はきび粥でした。平たいパンもキビで作り、キビは麦よりおいしい穀物とされていました。
雑穀の中でもキビの鮮やかな黄色は、カテキン類のポリフェノールで、強い抗酸化力を持っています。またキビのタンパク質には、血液中の善玉コレステロールを増やし、動脈硬化や血栓ができるのを防ぐ効果があることが発表されています。
たかきびの栽培方法
たかきびの正式な名称は「モロコシ」です。日本では、背の高いキビということで、たかきびと呼んできました。赤茶色のモチ種です。粒の白いウルチ種はインドまでしか伝わりませんでした。
粒は他の雑穀に比べて大きく、丸いのが特徴です。たかきびには、必須アミノ酸であるリジンとトリプトファン、ヒスチジンを含有する優れた質のタンパク質が多く含まれており、ひき肉に見立ててさまざまな料理ができます。また、抗酸化力を持つフェノール類のタンニンが含まれており、ほのかな苦味のある独特の味わいがあります。
アマランサスの栽培方法
アマランサスは、米や小麦に不足している必須アミノ酸のリジンが特に豊富で、タンパク質、脂質、ミネラル、食物繊維のいずれも、雑穀の中で群を抜いて多く含まれています。実を取る(穀実用)品種としては、センニンコク、ヒモゲイトウなどがあります。ケイトウに似た真っ赤な花も綺麗で楽しめ、殻がないので実を落とせばそのまま食べられるので、初心者向きです。
粒は、あんパンについている小さな芥子の実そっくりの小さな粒です。日本の雑穀と違って水にふやけないのが特徴です。プチプチとした食感はたらこに似ています。小さな粒の中に濃いうま味が詰まっています。
シコクビエ同様、アレルゲンを持たないため、アレルゲン穀物の代替食としても貴重な作物です。
雑穀栽培をより詳しく知りたい方へ、本やDVDのご紹介
雑穀の育て方について、詳しくは、下記の書籍またはDVDを参考にしてください。
※ 雑穀のタネは、毎年4月中旬〜5月いっぱいを目安に「未来食ショップ つぶつぶ」で販売しています。(農薬や化学肥料を使わずに栽培された在来種の種です。)