きび(黍)の栽培方法③ 脱穀・調整
今回は、きび(黍)の脱穀と選別についてご紹介します。きびの栽培方法について、その他の記事はこちら(↓)をご参照ください。
きび(黍)の栽培方法① 畑の準備 ~種まき・草取り・間引き・土寄せ〜 »
きび(黍)の栽培方法② 〜出穂と開花、鳥害・害虫・病気の対策、収穫と乾燥〜 »
きびの脱穀のポイント(小・中・大規模)
きび(黍)の穂が十分乾燥し、晴れた日が続く頃合を見計らって、脱穀作業をします。キビも実が小さいので、砂や土が混ざると厄介です。そのため、穂が地表から20センチ以上のものを優先して収穫し、脱穀します。
収穫量が少ない場合は、軍手などの手袋をして、両手でもみほぐすようにして実を落とします。キビの穂をビニール袋に入れて、上から擦り合わせて脱穀することもできます。
まとまった量がある場合は、板に荒縄を巻きつけ、そこに穂をこすりつけて脱穀します。
(詳しくは、たかきび(タカキビ)の脱穀・調整の記事をご参照ください。)
一粒ずつバラバラになるよう、丁寧に行ってください。
手作業では間に合わないほど量が多いなら、稲作用の脱穀機(ハーベスター)または足踏み脱穀機、大豆用脱穀機などが利用できます。キビの実は、直径2〜3ミリと、アワやヒエより粒は大きめですが、それでも飛び散ってしまうので、機械の回転数は遅めに設定します。
調整①(選別)
脱穀したキビは、まずふるいにかけて、大きなゴミと実を分けます。さらに手箕(てみ)または唐箕(とうみ)で、実を選別します。
風のある屋外で手箕(プラスチック製のもの)に脱穀した実を入れ(1回400ccくらい)、水平に楕円を描くように回します。軽いゴミは前の方に移動し、手箕から落ちていきます。落ちにくい場合は、軽く息を吹きかけてゴミを飛ばします。手箕がない場合は、掃除用のチリトリで代用できます。
唐箕は、古くから稲作などで使われてきた選別の道具です。ハンドルを手で回して風を送る手動式のものと、モーター付きのものがあります。
調整②(精穀)
キビの精穀は、ヒエほど面倒ではありませんが、外皮がかたく、内側がやわらかいので、注意が必要です。
まずインペラ式籾摺り機に2回かけ、外側の殻(イネでいう籾(もみ))を取ります。これで、殻はほとんど取れ、いわば玄米状態になります。
次に、循環式精米機で精穀します。機械にかける目安は、落ちた糠(ぬか)の重量が、機械に入れたときの重量の5〜8%程度になるくらいまでです。実がやわらかく、砕けやすいので、適度なところで止めてください。
籾摺り機の工程は省略し、循環式精米機だけで調整することも可能です。ただし、キビは殻の表面がツルツルしているため、圧力がかかりにくいという難点があります。解決方法としては、精米機にかける際、糠(ぬか)(なんの糠でもよい)を一緒に入れ、摩擦を起こして循環するようにします。糠の量は、たとえば15キロ搗きの機械なら茶碗1杯くらいあれば十分でしょう。
このようにして、キビの実を食べられる状態にできます。
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