やってみよう!雑穀栽培 プランター編
前回の記事「はじめての雑穀栽培 ~栽培方法、収穫方法、失敗しない3つのコツ~」を読んで、まずはプランターで育ててみたいと思っている方にぜひチャレンジしていただきたいので、今回は、プランターでの雑穀栽培方法について、詳しくお伝えします。
1.プランターと土を用意する
プランターは、深いものを用意しましょう。
【25cm×70cm×深さ30cm】くらいのものを選んでください。
ホームセンターや園芸品店、お米屋さんでも土などといっしょに売っていたりします。
土は有機肥料入りの野菜培養土を買ってくるのが便利です。
たいていはパーミキュライトという保水材が入っています。
キラキラしていますが、天然石です。
10kg入り1袋でプランター1つ分くらいです。
袋の裏に「生産業者保証証」や「原材料」のように四角い枠に囲まれて、土に何が含まれているかが書いてあります。
せっかくですから、化学肥料や化成肥料と書かれたものは避けて、無農薬・無化学肥料で育ててみましょう。
プランター7分目くらいまで土を入れます。
2.種を蒔く
土に3ヶ所割り箸を挿して、そこに人差し指で深さ1cmの穴をあけ、1ヶ所に3粒の種を蒔きます。
割り箸の役割は、種を蒔いたところの印です。
穴が浅いと、ジョウロで水まきした時に土がめくれて種が露出し、鳥についばまれたり、乾燥したりして芽が出ないなどの恐れがあります。
とは言っても、深すぎてもダメ。1cmがちょうど良い目安です。
土をかぶせて、手のひらで平らに押します。
日照時間がないと育たないので、種を蒔いたらできるだけ日当たりの良いところに置きましょう。
3.蒔いた種から芽が出る(発芽)
雑穀の芽はカヤツリグサやメヒシバなどのイネ科の雑草とよく似ているので見分けが難しいのですが、野菜培養土は熱処理してあり、雑草の種が混じっていないので安心です。
芽が出るまでは、毎日1回欠かさず水やりをします。
水の量は、プランター下にある排水口から水が漏れ出てくる程度です。
8~10日で、細いうす緑色の芽がまっすぐ上に伸びるようにして出てきます。
それから4日もすると、本葉が1枚横に開いてきます。
4.成長したら間引きをする
40日もすると30cm以上に成長します。
この時に、本数が多く出ていたら、1ヶ所につき3本になるように、間引きします。
引き抜こうとするとほかのものも抜けたり根が緩んで傷めてしまったりすることがあるので、土のすぐ上をハサミで切るのがよいです。
「分けつ」と言いますが、ヒエは1つの種から10数本、もちキビは3~4本の茎が出ます。
高キビ、もちアワはほとんど分けつしません。
この時期、水やりはまだ毎日します。
ときどき忘れるくらいは大丈夫ですが、暑い夏のベランダで1週間水やりを怠ると枯れてしまいます。
カンカン照りが続く夏は、毎日欠かさず水やりをしてください。
(水やりを1日2回にするのも効果的です。)
5. 土を足す(追肥)
50~60日経つと40~50cmくらいまで成長します。
プランター栽培では、土の絶対量が少ないので、大きく育てるためにもう一度、1ヶ所に3本になるように間引きをします。
そして、プランターいっぱいまで、はじめに入れたのと同じ土を足します。
これが追肥効果にもなります。
その後は、1~2日に1回水やりをします。
穂が出てからは、水やりは週に2回くらい。
少なめでOKです。
6. 出穂(しゅっすい)小さな花を見つけてみよう
90日くらい経つと茎がふくらんできて、ある時、ふくらんだ茎が裂けて穂が勢いよく出てきます。
出穂から約1週間で、穂の先にびっしりと小さな花が咲き始めます。
花と言っても花びらはなく、ガクの間から顔を出した雌しべと雄しべが花に見えるのです。
雌しべは白色、雄しべの色は様々です。
高キビは大きめの黄色、もちアワはクリーム色、もちキビは赤茶色、ヒエとシコクビエは白色です。
花はとても小さいので、よく観察してみてください。
雑穀栽培をより詳しく知りたい方へ、本やDVDのご紹介
雑穀の栽培方法について、もっと詳しく知りたい方は下記の書籍またはDVDを参考にしてください。
※ 雑穀のタネは、毎年4月中旬〜5月いっぱいを目安に「未来食ショップ つぶつぶ」で販売しています。(農薬や化学肥料を使わずに栽培された在来種の種です。)