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雑穀 あわ(粟)の育てかた


あわの栽培方法

今回から、それぞれの雑穀ごとの栽培方法をご紹介します。

初回は「あわ(粟)」の栽培方法、畑の準備〜種まき・育苗〜定植と間引き〜草取り・土寄せまで。(出穂(しゅっすい)と開花、鳥害・害虫・病気の対策、収穫と乾燥については、別記事でお伝えします)

あわ(粟)って、どんな雑穀?

アワは、ユーラシア大陸全域で古くから栽培され近世まで重要な位置を占めていた穀物です。日本でも縄文時代の遺跡から、アワらしい遺物が発掘されています。卑弥呼の時代の主食はアワと米だったという記録もあります。徳島県が「阿波(アワ)の国」と呼ばれるように、高温・乾燥を好むアワは、西日本で特に多く作られていました。

日常のごはんとして食べられていたのはうるちアワが主体で、もちアワの料理は、餅や団子、おこわなど神聖な行事食でした。しかし、米の普及とともにウルチ種の需要は減り、現在栽培されているのは、ほとんどがモチ種です。

アワについて詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
あわ(粟)とは? あわの栄養、効能など

 

栽培の特性

あわは品種が多彩で、国内だけでも100以上あるといわれています。排水のよい肥沃(ひよく)な土地を好み、湿地を嫌います。根の張りは浅いのですが、乾燥には強いので、山間の畑などでも一定の収穫量が見込めます。

春まき種と夏まき種があるのも特徴で、主に寒冷地や高地では春アワが栽培され、温暖地・暖地では作期によって使い分けられています。また、特に連作を嫌います。

うるちアワの穂

うるちアワの穂

虎の尾もちアワの穂

虎の尾もちアワの穂

 

あわの育てかたと手順

1.  畑の準備(肥料の準備と畝(うね)づくり)

アワを育てる畑の準備をします。雨上がりで水が停滞するときなど、乾きの悪い畑は、必ず排水溝を設けて乾きをよくしてください。

アワは、肥沃な土壌を好みます。地力の消耗が激しいので、堆肥や肥料を使うことは欠かせません。ことに堆肥は、直接養分のほか微生物の活動を増やし助けるなど、土づくりに欠かせない資材です。肥料は必ず、完熟した有機質肥料を、できれば植物性のボカシ肥料を使用してください。(ボカシ肥料の作り方は、下記書籍のP.78,79に写真付きで詳しく紹介しています。)

育てて楽しむ雑穀 栽培・加工・利用(創森社)

育てて楽しむ雑穀 栽培・加工・利用(創森社)

まず、栽培する畑の土を起こし、種をまく位置(列)に、くわで深さ10センチの溝を掘ります。そこに肥料を入れたら、土を戻して平らにならします。小高い畝は作らず、平畝にします。隣の列との間隔は、畝間を管理機が通ることを想定して決めます(おおよそ60〜90センチが目安)。

家庭菜園などの小規模栽培の場合は、実際に種をまく(植えつける)位置の真下を10センチ掘り、肥料を入れます。肥料を入れた場所の目印に割り箸などを立てておくとよいでしょう。

2-1. 種を畑に直接まく方法

畑に直接種をまく、直播(じかまき)の方法をお伝えします。

1アール当たり100ccほどの種を準備し、種まきは遅霜がおさまった頃を目安に行います。1の準備が完了した畑の畝の土に、深さ1センチの穴を開け、種を落としていきます。アワは茎が細く、生長しても小指程度の太さにしかならないので、株間はやや狭めで、12〜15センチあれば十分です。一つの穴に4〜5粒ずつまくのが理想ですが、種がとても小さく、実際は多くなるので、後日間引きして4本くらいに株をそろえます。

種をまいたら、土をかけ、手または足で軽く踏んでおさえます。雨が降った翌日や、雨が予想される前日に種をまくとよいでしょう。

2-2. 苗を育ててから畑に植えつける方法

セルトレイという、小さい穴がたくさん並んだ育苗(いくびょう)パネルに種まきし、ある程度の大きさの苗に育ててから畑に植えつける方法もあります。

種をまくときに十分に水をかけた場合は、発芽した後の水やりは、乾きすぎない程度にします。水をやりすぎて、苗の生育を悪くしやすいからです。

育苗アワ 発芽後10日

育苗アワ 発芽後10日

3. 定植と間引き

種まきから2週間、葉数で2〜3枚、10センチほどになったら、小さくて弱いものを間引いて、1株4本にします。アワはほとんど株分かれ(分けつ)しないので、このときに残した4本が最終的な株になると思ってください。

まわりの土を片方の手で押さえ、間引く苗の根元を指で挟み、地面に水平に引っ張ります。垂直に引き抜こうとすると、残すはずのものまで一緒に抜けてしまいますので、必ず水平に引き抜いてください。

セルトレイで育苗する場合も、同様に間引き作業が必要です。10センチ程度に伸びたら、間引いて1セル4本にします。ただし、セルトレイの場合は、引き抜くのではなく、間引く苗を根元からハサミで切ります。小さなセルの中は、根でいっぱい。しかも絡まり合っているので、無理に抜こうとすると残す苗の根を傷めてしまいます。特にアワは植え付け後の発根がよくないので、根のダメージは植え付け後の生育に大きく影響します。

4. 草取り・土寄せ

直播の場合は、間引くまでの間に1回目の草取りを済ませます。作業のタイミングが合わないときは、間引きと同時に1回目の草取りを行ってもかまいません。セルトレイで育苗する場合は、この時期の草取りは避けます。

植え付け後、3回草取りをします(つまり、直播の場合は合計4回)。アワの高さが20センチくらいになったら、1回目の草取りをします。2回目と3回目の除草は、列(畝)の間を耕しながら除草し、その土をアワの根元に寄せていきます。これは、中耕・培土(ちゅうこう・ばいど)という除草方法です。

高さが30センチになったら、列の間を管理機または平鍬などで耕し、その土をアワの株元に寄せ、倒伏を防ぎます。アワは根張りが浅いので、しっかり土寄せします。

高さが50センチになったら、再度「中耕・培土」します。株間の草取りをこまめに行うと、アワの生育が見違えるほどよくなります。

 

雑穀栽培をより詳しく知りたい方へ、本やDVDのご紹介

雑穀の育て方について、詳しくは、下記の書籍またはDVDを参考にしてください。

育てて楽しむ雑穀 栽培・加工・利用(創森社)

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雑穀が未来をつくる(創森社)

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DVD郷田和夫の雑穀調整技法

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※ 雑穀のタネは、毎年4月中旬〜5月いっぱいを目安に「未来食ショップ つぶつぶ」で販売しています。(農薬や化学肥料を使わずに栽培された在来種の種です。)

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