大豆ミートは体に悪い?メリット・デメリットや添加物の相乗毒性について解説
お肉の代わりに選ばれることが多い「大豆ミート」。健康的なお豆の代表「大豆」を使っていることから、体に良いものだと考えている人は多いかもしれません。
しかし、大豆ミートは必ずしも「健康的な食品」とは言えない裏が隠されているのをご存知でしょうか。大豆ミートに潜んでいるもの、それは「添加物」です。
▼この記事はこんな人に読んで欲しい
- 大豆ミートは体に良いと考えている人
- 体をいたわる食生活をしたい人
- 大豆ミートを健康のために取り入れたい人
- 体に良い食品を知りたい人
すべての商品とは言いませんが、添加物が多く含まれている大豆ミートは数多くあります。この記事では、大豆ミートが必ずしも健康的とは言えない理由とあわせて、大豆ミートの代わりとなるおすすめ食材をご紹介します。
あなたが大豆ミートを食べる理由は?健康目的なら間違いかも
大豆ミートをはじめとする「代替肉(ベジタリアンミート)」のほとんどは、植物由来の食材を利用して作られています。現在市場に出回っている代替肉のほとんどが、大豆や小麦を原材料としているものが多く、その中でも大豆を使っているものがメジャーです。
まるで肉のような食感を作り出せることから、「動物を殺傷することに抵抗があるけど肉が食べたい」という人にはぴったりな食材だと言えます。
大豆ミートは環境に良く健康に悪い
ビーガン人口は日本以上に海外に多く、特にイギリスやオーストラリアなどでは積極的なビーガンが珍しくありません。
そんな中、アメリカ、カナダ、イギリスなどで展開しLOHAS志向のスーパーとして圧倒的支持を受けている大手スーパー「ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)」のCEO兼共同創業者であり、自身も20年以上ビーガンを続けているジョン・マッキー氏は、大豆ミートを含む植物性の肉製品について次のように語っています。
「植物性の肉製品は環境には良いが、健康にはあまり良くないと考えています。原材料を見ると、超高度に加工された食品です。加工度の高い食品を食べることが健康に良いとは思えません。」
大豆ミートのメリットとは?
大豆ミート(ベジタリアンミート)が健康に良くないとはいえ、もちろんメリットもあります。なぜ大豆ミートが食べられているのか、メリットについてご紹介します。
- まるでお肉のような食べ心地を味わえる
- 植物性タンパク質が豊富
- 食物繊維が豊富
- コレステロールを排出する
- 環境に良い
それぞれについて詳しく解説します。
大豆ミートのメリット①:まるでお肉のような食べ心地を味わえる
お肉を食べない理由としてあげられる「動物がかわいそう」という気持ちは、人をビーガンやベジタリアンにする大きな力を持っています。
しかし、小さな頃からお肉と親しんできた人たちにとっては、肉の味や食感が恋しくなるときもあるでしょう。そんなとき、まるでお肉のような味と食感を味わえる大豆ミートは満足感を与えてくれます。
大豆ミートのメリット②:植物性タンパク質が豊富
お肉に豊富に含まれる動物性タンパク質の代わりに、大豆ミートから植物性タンパク質を摂取できます。タンパク質は三大栄養素の一つで、筋肉や血液を作るために必要不可欠なエネルギー源です。
大豆からはお肉から取れるタンパク質と大差ない量の豊富なタンパク質が摂取できるため、代替品としてはぴったりと言えます。
大豆ミートのメリット③:食物繊維が豊富
お肉からはほとんど摂取できない食物繊維が、大豆には豊富に含まれています。
食物繊維は大腸まで届き整腸効果や便秘解消をうながすだけでなく、血糖値やコレステロールの抑制効果も期待できます。
食物繊維は現代日本人のほとんどに不足している食品成分と言えるため、大豆を積極的に摂取することはその助けになるでしょう。
大豆ミートのメリット④:コレステロールを排出する
大豆は生活習慣病に悩む人の大敵であるコレステロールを含まないのはもちろん、コレステロールを排出する成分「サポニン」を持ちます。
コレステロール値を正常に近づけることができるため、健康をサポートすることができると言えます。
大豆ミートのメリット⑤:環境に良い
牛のゲップには温室効果ガスのひとつである「メタン」が多く含まれており、世界には15億頭の牛がいるとされ、地球温暖化の原因の1つとされています。
ただし、最近の研究ではエサに海藻を含めて与えるとメタンガスの発生が減ることがわかりはじめたため、牛を減らせば環境に良いとは言い切れなくなってきました。
一方で、家畜を育てるためには大量の水が必要となるため、大豆を育てた方が水の消費をおさえられるという点では環境に良いと言えるでしょう。
大豆ミートのデメリットとは?
それでは次に、一般的に言われる大豆ミートのデメリットについてまとめていきます。
- 加工が多いほど添加物も多い
- 遺伝子組み換え大豆使用の場合が多い
- 入手コストが高い
- 塩分やカロリーが高め
- イソフラボンの過剰摂取に繋がる
それぞれ詳しくご紹介します。
大豆ミートのデメリット①:加工が多いほど添加物も多い
大豆ミートはほとんどの場合、加工をすることで美味しさや形を保ち流通されています。また、さまざま加工な加える過程で、添加物が多く含まれるようになるという側面もあります。
無添加表記の大豆ミートもありますが、そもそもの無添加表記が、添加物を一切含んでいないという意味ではないことはあまり知られていません。
一般的に売られている大豆ミートのほとんどが、添加物を多く含んでいます。添加物を気にしないという人なら問題はありませんが、健康のために大豆ミートを選んで食べたいという人にはおすすめできません。
大豆ミートのデメリット②:遺伝子組み換え大豆使用の場合が多い
大豆ミートに使う大豆には、遺伝子組み換えのものが使われていることも多いです。
遺伝子組み換えをすることにより、害虫や除草剤に強くなるという栽培者側にとってのメリットが大きいです。ただしそのぶん、薬を使われて育った大豆を摂取していることになります。
そもそも、自然界に存在していなかったものを遺伝子組み換えによって作っている点で、体に良いとは言い切れないのがこわいところです。遺伝子組み換え食品を摂取し続けると、アレルギーや発達障害の原因になる可能性があると言われています。
「遺伝子組み換えでない」と表記がない場合には、遺伝子組み換えのものだと判断して良いでしょう。
大豆ミートのデメリット③:入手コストが高い
大豆ミートの値段は現在、肉と同等あるいは肉より高い値段で流通していることがほとんどです。いまだに大豆ミートの流通量が肉と比べて低いのは実感があるはず。つまり、入手するためのコストも高いということです。
さらに、大豆自体の価格も高くなっていることが原因として挙げられます。大豆の国際価格は一年前と比べて5割も高くなりました。原料である大豆の値段が上がれば、必然的に大豆ミートの値段も上がっていきます。
大豆ミートのデメリット④:塩分やカロリーが高い
大豆は肉と比べて、うまみやコクを感じにくい食材です。だからこそ、大豆の味を肉に近づけるためには、塩分や添加物などの余計なものを多く入れる必要があります。
原料が植物の大豆だからと言って、カロリーが低いというイメージが正しいとは限らないことも覚えておきましょう。
大豆ミートのデメリット⑤:イソフラボンの過剰摂取に繋がる
大豆に含まれるイソフラボンは、節度を守って摂取することで良い効果が期待できます。骨粗しょう症の予防や、女性であれば生理前症候群(PMS)の緩和があげられます。
しかし、摂取のしすぎは病気の原因となることがあります。女性は特に、乳がんや子宮内膜症の発症リスクをあげるため、摂取のしすぎは注意です。お肉を食べない代わりに健康そうな大豆ミートをたくさん食べよう、と考えている人は特に、食べ過ぎないよう気をつけてください。
大豆ミートは添加物の塊?用法用量を守れば問題ナシ
大豆ミートには添加物が多く含まれていることが多い、と紹介してきました。しかし、添加物が必ずしも害悪となるわけではありません。添加物は、用法用量を守って摂取しているなら問題はないとされています。
それでは、何が問題なのでしょうか?
添加物の相乗毒性の可能性あり
添加物を摂取することの恐ろしさは、相乗毒性の可能性にあります。相乗毒性とはつまり、複数の食品から多様な添加物を摂取することで、体内で化学反応を起こし有害な影響を及ぼす可能性があるということです。
例えば、ハム・ソーセージの添加物としてよく使われる発色剤の亜硝酸Naと保存料としてよく使われるソルビン酸が組み合わさると、相乗毒性があることが発表されています。この組み合わせが積み重なることで、新しい発がん性物質が発生するとも言われています。
海外はすでに動き出しています
相乗毒性の問題が科学者の眉をひそめ始めたのは1990年代で、イギリスでは保存料や合成着色料が子供に影響を与えていることを発表しました。こうしてイギリスは、着色料の使用自体を禁止するという結果に。
日本でも、農薬や薬物が反応して起こる相乗毒性が問題視されています。
単体で摂取するなら問題がないよう調合されている添加物でも、他の添加物と組み合わさることにより相乗毒性が引き起こされる可能性があるというわけです。
ベジタリアンやヴィーガンはご注意を!大豆ミートに含まれる製品
ベジタリアンやヴィーガンの方は大豆ミートに含まれる原材料は必ず確認しましょう。原材料に卵や乳成分などを含んでいる可能性があります。さらに、それらの動物性の原材料を含んでいる製品と共通の設備で製造されている商品もあります。
本気で動物性の食品を食べないようにしているベジタリアンやビーガンの方や製造設備なども気にされているという方は、大豆ミートだからと安心し切ってしまうのは危ないです。
大豆ミートの代わりなら雑穀「たかきび」が健康的でおすすめ!たかきびとは?
ここまで、大豆ミートの多くに施されている添加物のおそろしさについてご紹介してきました。ここまで読んで「だったら大豆ミートの代わりに何を食べれば良いの?」と考えた方もいるはず。
大豆ミートの代わりにするなら、おすすめは「たかきび」です。
たかきびは畑のビーフとも呼ばれるお肉みたいな食感の雑穀です。お米くらいの大きさをした、赤茶色の雑穀です。炊くとふっくらとして、キュッとした歯応えや弾力はまるでお肉のよう。見た目も赤茶色のひき肉のようなので、「ミートミレット」などと呼ばれています。
たかきびは栄養がいっぱい!ダイエットにも効果的
たかきびはたくさんの栄養を含みます。
- ビタミンB群
- ビタミンE
- 鉄
- マグネシウム
- カルシウム
- タンパク質など
胃腸の働きを正常に保つほか、皮膚を健康にするなど、体内から健康へと導きます。
さらに、豊富な食物繊維や鉄分が便秘や貧血を防ぐため、ダイエット効果にも繋がります。
詳しくは別記事でご紹介しているので、あわせてどうぞ。
たかきびとは? たかきびの栄養、料理やレシピをご紹介 »
たかきびを使った料理・レシピを紹介
たかきびは基本的に、炊いて料理をします。
炊いたたかきびの使い方は、アイディア次第で自由です。
たかきびの炊き方(鍋で炊く方法)
材料
- たかきび:1カップ(160g)
- 水:1カップ(200cc)
- 自然塩:小さじ 1/4
道具
- 鍋:1〜2リットルぐらいで、厚手で蓋がしっかり閉まる鍋がベスト
- ボウル:たかきびを洗って水につけるために使います
- ザル:裏ごし器でもOK
- 木べら:炊けたたかきびを混ぜるのに使います
作り方
- たかきびを洗ってたっぷりの水(分量外)に一晩つけ、ザルにあげて水をきる。※急ぐときはたっぷりの熱湯にしっかりフタをして30分つける方法でもOK。
- 鍋に①のたかきびと、水と塩を加え、フタをして強火にかける。
- 沸騰したら中火で5分、とろ火で15分炊く。
- 火からおろして10分蒸らし、木べらでさっくり混ぜる。
参考:たかきびの炊き方と、たかきびを使った簡単おいしいレシピ
たかきびを使った料理レシピ
その他、別の記事ではたかきびを使った料理レシピを掲載しております。
ご興味のある方はぜひそちらもお読みください。
ヘルシーで栄養豊富なビーガンパスタソース、高キビミートソースのレシピ »
畑のビーフ「たかきび」は安心安全の食生活をサポート
たかきびは雑穀なので、販売のため加工をする必要がなく、添加物の心配も不要です。
大豆ミートを食べるなら、より栄養素が高く加工がない「たかきび」をおすすめします。
とはいえ、それでも大豆ミートを選びたいという場合のポイントをまとめます。
▼大豆ミートを選ぶときのポイント
- 原材料をしっかりチェック
- できるだけ加工が少ないものを選ぶ
- 添加物が含まれていないことを確認する
代わりの効かない体の健康は、普段の食生活を通して守ってくださいね。
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