ひえ(稗)の栽培方法② 出穂と開花、鳥害・害虫・病気の対策、収穫と乾燥
前回から、それぞれの雑穀ごとの出穂(しゅっすい)と開花、鳥害・害虫・病気の対策、収穫と乾燥についてご紹介しています。今回は「ひえ(稗)」です。ひえの栽培方法について、その他の記事はこちらからどうぞ。
出穂と開花
ヒエの出穂は、発芽から90日前後ですが、日長や気温に左右されます。日が短くなり、気温が高いほど出穂が早まる性質があります。
出穂から1週間ほどで、白い花が咲きます。イネ同様、一つの穂にたくさんの小さな花がつき、それぞれの花に羽毛状の柱頭が2本あるめしべと、ふわふわの毛のようなものが生えているおしべが3本あります。
鳥害・害虫・病気の対策
他の雑穀同様、ヒエも鳥たちの大好物。実が入りはじめた畑では、空から食べ頃を狙っています。穂がふくらみだしたら、防鳥ネットを張って鳥害から守ります。倒れたヒエにはスズメなど鳥たちが群がるので、その時にはまたもう一つ対策が必要です。
張り方も他の雑穀と同じ。畑の周囲4点および畑の中央に竹などの支柱を立て、穂の上部20センチほどの高さにネットを張ります。
(詳しくは、下記書籍のP.10とP.21をご参照ください。)
害虫の「アワノメイガ」「アワヨトウ」は、ヒエにも発生し、茎に侵入して内部を食い荒らします。特に収穫直前に発生すると、せっかく稔った穂の付け根から折れてしまうので、入念な見まわりが必要です。食べかすや糞の塊を見つけたら、株ごと引き抜いて必ず焼却し、翌年に大量発生するのを防ぎます。
収穫と乾燥
開花から約30日で待望の収穫です。赤みをおびた緑色の穂が茶色になり、葉の色も緑から黄色になったら、収穫の合図です。実は熟すと灰色になりますが、十分に熟した実はとても落ちやすくなるので、早めに刈り取り、乾燥しながら登熟させます。
倒伏してしまった場合は、少し早めでも刈り取りを始めます。少し緑色の状態でもよいです。収穫後も茎がついた状態で自然乾燥をすると登熟が進みます。
刈り取りは、手刈りの場合は稲刈り鎌で、穂先から約50センチのところを刈ります。刈り取ったら数株ずつ結束し、雨があたらず、風通しのいい場所に、穂を下にして提げて干します。
横に棒をわたすことができれば、結束したものを2つに割って振り分け荷物のようにして棒にかけるか、棒をわたすスペースがなければそのまま壁面などに留めて干します。乾いてくると茎が細って抜けやすくなるので、縛り直すか、束をもうひとひねりして結束をきつくします。
面積が大きい場合は、汎用コンバインが使えます。その際、風量はやや少なめにし、刈り取りの高さを上げる(約30センチ)など、設定を調整する必要があります。収穫したあとは、乾燥機にかけます。
雑穀栽培をより詳しく知りたい方へ、本やDVDのご紹介
雑穀の育て方について、詳しくは、下記の書籍またはDVDを参考にしてください。
※ 雑穀のタネは、毎年4月中旬~5月いっぱいを目安に「未来食ショップ つぶつぶ」で販売しています。(農薬や化学肥料を使わずに栽培された在来種の種です。)
ヒエについて詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
ひえ(稗)とは? ひえの栄養、効能など