【油の話 vol.3】体内脂肪の合成を抑え、燃焼を促進する菜種油
*この投稿は以前発刊していた会報誌『月刊つぶつぶ』より特集シリーズ「特集 油 〜健康を支える油、健康を損なう油〜」から一部編集して掲載しています。連載一覧はこちら
菜種油は必須脂肪酸含有量が多く栄養バランスに優れている
菜種油は、必須脂肪酸含有量の多い栄養バランスに優れた植物油です。
脂肪は、脂肪酸とグリセリンからできています。
この脂肪酸は、さらに「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分かれます。
脂肪酸の大部分は、体内の糖質やタンパク質から作られていますが、不飽和脂肪酸の中のリノール酸や、αーリノレン酸などは体内で合成することができないため、食品から摂らなければならないので、「必須脂肪酸」とも呼ばれています。
菜種油には、このリノール酸、αーリノレン酸が豊富に含まれています。
αーリノレン酸が体内に入るとEPA・DHAに変換されます。これがFAS(脂肪酸合成酵素)の働きを抑制し、新しい脂肪の合成を防ぐだけでなく、血中脂肪酸の分解を進める酵素の働きを活発にしてくれます。
脂肪の合成を抑えるとともに、脂肪の燃焼を促進するという二重の作用で肥満の解消に役立ちます。
リノール酸は、コレステロール値を下げる作用を持ち、不足するとエネルギーの生産能力が低下したり、皮膚や臓器の健康に支障をきたすようになると言われています。
必須脂肪酸ではありませんが、菜種油に含まれるオレイン酸は、血中コレステロール濃度(特に悪玉コレステロール)を低下させる作用があり、インシュリンの効果を高め、体脂肪を溜めにくくします。また、血流を良くする働きがあるため、むくみを解消し、美しい肌を作ります。