添加物が体に悪い理由とは?どんなデメリット、影響があるの?
様々な環境の変化の影響もあり、健康意識が年々高まってきています。食事やサプリメントなど口にするものに関しては特に慎重になっている方も多いと思います。
そんな中、今回は「食品添加物」のメリットやデメリットについて解説していきます。様々な食品に含まれる食品添加物ですが、一体、体にどのような影響があるのでしょうか?
以下のポイントに絞って解説していきますので、あなたが健康的な食事を選べるようにぜひご確認ください。
● 本記事で分かること
- 食品添加物とはそもそも何なのか?
- 食品添加物が体に悪いといわれる理由
- 食品添加物が食品に使われている理由
- 安全に食品添加物と付き合っていく方法
ぜひ最後までお付き合いください。
そもそも食品添加物ってなに?
そもそも食品添加物とは何を指しているのでしょうか?
食品衛生法では以下のように定義をしています。
添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。
食品衛生法
上記を要約すると「食品に何かしらの目的がある上で添加される“物”」とされています。
ですので、添加物は具体的に「これ!」という物ではなく、「保存」や「見た目をよくする」目的のもとで添加されるすべての物が添加物ということになります。
中には「天然のもの」も含まれていますので、一概に体に悪いとはいえないですね。
食品添加物が体に悪いといわれる3つの理由
世間一般的に、食品添加物は「体に悪い物」と認識されています。
結論から述べると、人工的に作られた、もしくは合成された食品添加物はたしかに体にいい影響を及ぼしません。
その理由を3つ紹介します。
- 添加物の安全性はまだはっきりと分かっていない
- 栄養が偏りやすい
- 味覚障害やアレルギーになる可能性がある
それぞれ解説していきます。
添加物の安全性はまだはっきりと分かっていない
食品添加物によっては、動物実験で「発がん性」があるかもしれない、と考えられているものもあります。ですが、実際にはっきりとしたデータで証明されているわけではありません。
たしかに多量投与すると体に悪い影響を及ぼすようですが、人が口にする食品添加物は危険といわれる量の1,000分の1程度です。
しかし、少ないとはいえ、危険な可能性を秘めている物ですから、なるべくであれば体に入れないほうが良いでしょう。
栄養が偏りやすい
食品添加物を添加すると食品は色鮮やかになり、匂いは芳しく、味も劣化せず、長期間保存できるようになり、おいしく食品を頂くことができます。しかし、そのせいで、糖質や、脂質、塩分を多く摂りすぎてしまう傾向にあります。
健康に気を遣ってコンビニで購入し飲んでいる野菜ジュースや賞味期限がながい菓子パンなどに大量の糖分が含まれており、栄養が偏るきっかけになっていることもしばしばあります。
買い物の回数を減らし、なるべく保存がきく食品を気づかない内に選んでいることが、健康被害につながっている可能性があるのです。
味覚障害やアレルギーになる可能性がある
食品添加物を摂取し続けると味覚がおかしくなったり、アレルギーが発生しやすくなる、といわれています。
その理由は、食品添加物である「フィチン酸」「リン酸塩」「ポリリン酸」などが、亜鉛という栄養素の吸収を邪魔してしまうのが原因です。
亜鉛は私達が食べ物の味を正しく感じるために必要な栄養素なのですが、亜鉛が不足することで味覚障害となる可能性があります。
また、アレルギーに関しては、「安息香酸ナトリウム」「ヒドロキシ安息香酸」などは喘息や、アトピー性皮膚炎に関係しているといわれていますし、「パラオキシ安息香酸ナトリウム」は蕁麻疹(じんましん)に関係があるといわれています。
食品添加物は便利なもので、私達の生活から切っても切り離せませんが、むやみに摂取するのは控えた方が体には良さそうですね。
体に悪いはずの食品添加物がなぜ使われるの?
食品添加物はなるべくなら避けたほうが良いものです。
ですが、その食品添加物がなぜ、食品に使用されているのでしょう?
その理由として、以下の3つがあげられます。
- 食品の保存期限が長くなることで食中毒を防止する
- 食品を安く購入することができる
- 味や食感が良くなる
それぞれ詳しく解説していきます。
食品の保存期限が長くなることで食中毒を防止する
食品添加物を使用する最大のメリットは「食品を長期で保存できる」ことです。
日本は、温暖多湿な気候で、食品が腐りやすいのですが、食品添加物を使用しているおかげで、長い期間、食品をおいしく頂くことができます。
もし、食品添加物や保存料を使用しないで食品を製造すると、食品が腐りやすくなるため食中毒が多発してしまう恐れがあるのです。
食品添加物のおかげで、私達は、安全に、おいしく食事することができています。
食品を安く購入することができる
食品添加物を使用すると、食品を安く販売することができます。
その理由として…
・保存しやすくなるため長い期間店頭に置くことができる
・長期保存できるので輸送費のコストが下がる
・食品添加物を使用することで材料費が安くなる
上記があげられます。
食品添加物を使用することで、私達は食費を抑えることができ、経済的に支えられてきたのです。
味や食感が良くなる
食品添加物を使用すると、食品がシンプルにおいしくなります。
- 甘み
- 辛味
- 酸味
- 苦味
- 旨味
- 食感
- 香り
食べ物がおいしくなる要素を、食品添加物で作り出すことができるのです。
香料で食欲をそそる香り付けをし、ゲル化剤などで、プルプルとした食感を出します。乳化剤や安定剤でなめらかな舌触りを演出します。
このように私達が普段何気なく食べている食品は、実は食品添加物でおいしくなるよう加工され作られているのです。
食品添加物の安全性はどう管理されているの?
どれだけ食品を保存できても、おいしくても、体に悪いのであれば、食べたくはないですよね。そんな食品添加物が多くの食品に使用されているのは、一定の安全性が示されているからです。
ここからは食品添加物がどのように安全性を担保されているのか紹介していきます。
厚生労働省で毒性の検査をしている
日本で、食品添加物として使用できるものは、厚生労働省の厚生労働大臣が指定しているものだけです。それに加えて、食品添加物の純度や成分についても規格があり、使用しても大丈夫な量もしっかり決められています。さらに、一定の安全性を認められた添加物も、繰り返し毒性のテストが行われています。
様々な食品添加物をテストしていく過程で、毒性が低いものがあればそちらを優先していくので、削除されている添加物もあります。
このように、人々が安心して食事を楽しむことができるようチェックする仕組みがあるのです。
食品添加物と上手に付き合っていく方法
体に悪いといわれている食品添加物ですが、メリットも多く存在するため、絶対に食べない!というのは難しいのが現代の状況です。
大切なのは、体に悪い部分もあるということをしっかり理解して、上手に食品添加物と付き合っていくことです。
食品添加物の摂取を減らしつつ、上手に付き合っていくポイントを3つ紹介します。
- 安全な量を把握して、摂りすぎに注意する
- 天然由来の添加物や無添加のものを選ぶようにする
- お菓子やジュースなどはなるべく避ける
それぞれ解説します。
摂りすぎに注意する
食品添加物には、厚生労働省が定めた、1日摂取許容量というものがあります。
これを「ADI」といいます。
ADIとはAcceptable Daily Intakeの略で、人がその添加物を、毎日食べても健康に害がないとされる基準のことです。
この基準にのっとって食品に添加物は使用されているので、基本的には健康に害はないといわれています。
だからといって、制限なく食べてもいいというわけではありませんので、添加物を使用している食品の食べすぎには注意しましょう。
天然由来の添加物や無添加のものを選ぶようにする
食品添加物の中には天然由来の添加物も存在します。天然由来だから100%安全というわけではありませんが、自然界にもともと存在する成分なので、人工で作ったものよりは安心できますね。
天然由来の食品添加物には以下のようなものがあります。
- ウコン色素
- クチナシ色素
- コチニール色素
- カンゾウ抽出物
- ステビア未(ステビア抽出物)
- しらこたん白抽出物
食品成分表の中に上記のような天然由来の添加物が記載されているものを積極的に選ぶ、あるいは、無添加とされているものを選ぶようにするのが良いでしょう。
お菓子やジュースなどはなるべく避ける
お菓子やジュースなどはいうまでもありませんが、甘みをつけたり、香りをつけたり、長い期間保存できるように様々な食品添加物が使用されています。
普段、お菓子やジュースを日常的に食べている方は、これを減らすだけでも食品添加物の摂取を減らすことができます。
デメリットにもあげていたように、お菓子やジュースは栄養の偏りも発生しがちですので、健康的な食生活を心がけている方はなるべく避けるようにしましょう。
どうしても食べたい場合は、週に1回までなどの制限を設けるのもよいでしょう。
まとめ
食品添加物は私達の生活から切っても切り離せません。食品会社にとっても、一般消費者にとっても多くのメリットがある便利なものだからです。
しかし、便利さ、おいしさにともなって、健康被害を招く可能性も秘めています。私達は、食品添加物の怖さをしっかりと認識し、自分や家族の健康は自分たちで守らねばなりません。
必要以上に怖がらず、でも摂らない、摂りすぎないことに気をつけて、おいしく楽しく健康的な食生活を送っていただければと思います。