【連載】未来食講座32
*この投稿は未来食創始者 大谷ゆみこ公式ブログ「輝いて生きる 〜食と生き方のレシピ〜」の連載記事「未来食」を編集して掲載しています。

未来食創始者 大谷ゆみこ
ココナッツオイルは常温で固体
食用油には大きく分けて2種類あります。
ひとつは、飽和脂肪酸が主成分の
常温で固体の「脂」と書かれる油です。
もう一つは、不飽和脂肪酸が主成分の
常温で液体の「油」と書かれる油です。
両方合わせて「油脂」と言います。
「脂」に分類される油の主流は肉や卵、
牛乳に含まれる脂肪分です。
ココナッツオイルなどのヤシ油の仲間は植物油なのに、
常温で固形の「脂」に分類される油なのです。
外から入れる必要があるのは不飽和脂肪酸
ココナッツオイルやラードが業務用に便利なのは、
飽和脂肪酸が主成分なので加工のプロセスで酸化しにくいからです。
でも、ラードやココナッツオイルばかりを食べていたら、
栄養失調になってしまうのです。
体に必要なのは2種類の「必須不飽和脂肪酸」なのです。
食べる必要のない常温で固体の「脂」を体に入れることによる
体内システムの乱れや滞りも気になります。
それなのに、まるで栄養豊かなスーパーフードのように
宣伝されています。
宣伝に使われている栄養素や効果のほとんどが、
ココナッツオイルでなくても摂取できるものがほとんどです。
すばやく消化されてエネルギーになるので、
身体に優しいという謳い文句もありますが、
体は主に糖質のエネルギーで動くしくみになっています。
必要に応じて脂質もエネルギーとして使いますが、
主は糖質からです。
また、飢餓や糖質制限などで糖質が入ってこない異常事態にも
油がエネルギー源として燃やされますが、
その場合は酸性の副産物が発生します。
ラウリン酸は界面活性剤
ラウリン酸がたくさん入って免疫力、抵抗力UPという謳い文句が広まっていますが、
もともとヤシ油に多く含まれるラウリン酸には
強い界面活性効果があることから、ヤシ油が合成洗剤などに使われたのです。
ヤシ油の石鹸やシャンプーを
洗顔・洗髪などに使うと皮脂を奪いすぎる危険があるのです。
そのような成分を多く含むココナッツオイルを
日常的に体に入れていいはずがありません。
また、免疫力を上げる要素は他にたくさんあります。
たとえ免疫力を上げる効果があるとしても
そのために日本の風土で採れないココナッツオイルを食べるのは不自然です。
健康や美容、アンチエイジングを目指す意識の高いと言われる人々こそが、
このような罠にはまって不健康になっていくのはほんとうに悲しい現実です。
その他にも、同じような手法で宣伝された
でたらめのスーパーフードがもてはやされるのと
心身の病気の増加は正比例しているのです。
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大谷ゆみこ
未来食創始者
株式会社フウ未来生活研究所 CEO
1982年から生命のルールに沿ったおいしい「料理のデザイン」と ワクワク弾む「心のデザイン」という分野を開拓し、先駆的な活動を続けている。雑穀が主役の健康をもたらすおいしい食システム「未来食」を提唱。つぶつぶクッキングとして3000レシピ以上を創作。1995年に誕生した「未来食セミナー」のプログラムと「つぶつぶ料理教室」を全国展開し、日本各地の何千という人々に家族ぐるみの健康と幸せのスキルを伝え続けている。
暮らしの拠点は広葉樹林と七色の雑穀畑に囲まれた「未来食ライフラボ/いのちのアトリエ@山形」
日本ベジタリアンアワード第1回ビーガン賞、第2回大賞、第3回料理家グループ賞。日本で2人目で女性初の日本ベジタリアン学会認定マイスター。日本ベジタリアン学会理事。
『オトナ女子は人生を”食”で奏でる』『未来食7つのキーフード』『野菜だけ?』『つぶつぶクッキングSTARTBOOK』など著書多数。
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\日本人として凛と生きる/
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