【塩の話 vol.3】元祖!自然海塩「海の精」はこうして作られる
*この投稿は以前発刊していた会報誌『月刊つぶつぶ』より特集シリーズ「海の結晶 本物の「自然海塩」を食卓に」から一部編集して掲載しています。連載一覧はこちら
ごつごつした溶岩が小さな入り江をかたち作る伊豆大島・千波崎(せんばざき)の海岸。ここは伊豆箱根国立公園の第2種保護地域内であり、海水の透明度は15mもあります。自然海塩「海の精」は、この海岸から組み上げられた海水で作られています。
日本の伝統海塩「海の精」ができるまで
- まずは、「流下式塩田」に、海から海水を引き上げてくぐらせます。木組みのやぐら「枝条架」というところを何度も通して、天日や風によって、徐々に海水を濃縮させます。
- 引き上げて3〜4倍に濃縮された海水を、今度は大きな「平釜」にいれて煮詰めます。おおよそ24時間、2重構造の平釜を蒸気で温め、どんどん煮詰めていきます。
- 煮詰まり度合いを確かめるために、分析をします。ここがとても重要です。おいしい塩にするために、計測は欠かせません。この段階で煮詰まった海水が、徐々に結晶化されていきます。
- 大きな平釜から塩をかき出します!ここからは温度管理がとっても重要。温度管理の違いが味にも変化が出てしまうとのこと。てきぱきと工程を進めていきます。この時点では残った水分には「にがり」が含まれています。
- にがりを絞る機械「脱汁機」にいれて、ここでも時間をしっかりと管理し、ちょうどいいタイミングで塩を取り出します。 ここで、塩とにがりに分かれます。分けた「にがり」は、豆腐を固めるのに使います。
- 出来上がった塩は、必ず検品を行います。ミネラル成分を確認し、いつも通りのおいしさに仕上がっているかどうかチェックします。ここで、少しでも問題があれば、それは海に返すというほどの徹底ぶり。
- 最後、袋詰めして製品にするのは、パートのおばちゃんたちの手作業。一袋一袋に心を込めた製品の完成です。
さらにご興味のある方は、ぜひ以下の動画もごらんください。
塩の歴史から海の精の誕生やその魅力、作り方や作り手について知ることができます。