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未来食つぶつぶ 公式ブログ

《雑穀栽培レポート vol.3》雑穀の苗植え

この投稿はつぶつぶマザーの岩崎信子さんのブログ記事を一部編集して掲載しています。
雑穀栽培レポート 前話 vol.2はこちらから


新緑の季節から少しずつ季節は変わり、初夏の風を感じるようになってきた6月吉日、埼玉県小川町在住つぶつぶマザー岩崎信子さんのつぶつぶ料理教室「畑でおいで」で開催されている「雑穀の種まきから調整を楽しむ会2020」に参加させてもらいに行ってきました。今回は、「栽培3 雑穀の苗植え」です。5月に「雑穀2 雑穀の種まき」で種まきした雑穀たちはどんな風に育っているでしょうか。ワクワクそわそわしながら、岩崎信子さんの自宅兼レッスン会場へ向かいました。

今回の体験では、12名の大人と2名の子供が参加です。職業や住んでいるところは人それぞれ。でも、雑穀栽培を学びたいという気持ちは、一緒です。雑穀栽培は今回が初挑戦という方も、自分で畑をやってますという方もいて、経験値はさまざまですが、それでも作業が進むにつれて、みなさん楽しそうにリラックスした表情に変わっていきました。

一日通しのレッスンなので、まずは昼食の支度からです。毎回楽しみなランチです。今回のメニューはこちら。

味噌ジャガキビごはん
もちきびごはん
蒸し野菜のもちあわドレッシングがけ
ズッキーニと高野豆腐の煮びたし
スティックキューリに味噌
1%の塩スープ

みんなで手分けして、野菜を切ったり、味噌を計ったり、信子さんの掛け声で一気にすべてが同時進行で進んでいきます。ジャガイモを切って炒めて、炊飯器に入れたら、スイッチポンで、あとは炊飯器にお任せです。「さあ、やろうか!外に出よう!」と信子さんの声がかかりました。みなさんお待ちかねの雑穀栽培体験がいよいよ始まります。

支度をして外に出てみると、5月に種まきした雑穀の種から芽が出てこんな風になっていました。種まきしてまだ20日くらいしか経っていないのに、こんなに成長しているとは。生命力の強さに驚かされます。

元気よく発芽している雑穀たちを苗箱ごと持ち上げていきます。苗箱からはみ出して根をはっていた部分が土からはがされるとき、バリバリバリっと元気な音が聞こえてきました。セルトレーのなかは雑穀たちにとって、本当に住み心地のよい場所だったようです。思う存分、伸び伸びと育っていた証拠です。

土からはがした苗箱は、バイオガス液肥に付けます。セルトレーの穴一つ一つに入った土が色が変わるくらいまで、十分水分を吸わせることが重要とのことでした。今後、雑穀たちが十分に育っていくための栄養分をたっぷりと土にしみこませてあげるので、またの名を「弁当肥え(べんとうごえ)」と呼ぶそうです。たっぷりと根のはった土にお弁当をもたせてあげるという意味になります。

この作業をすることで、雑穀たちは少しくらいの日照りではびくともしない強さを見せてくれるとのこと。とても重要な工程です。

この作業を、午前中に植える予定の苗箱3枚に済ませたあと、畑に向かいました。畑は信子さんの自宅のすぐそばにあります。今日の作業のために、草刈りをしておいたという畑ですが、ふつうの畑とはずいぶん違います。自然農というだけあり、刈った草もそのまま土の上に置かれています。もちろん、土を起こしてもありません。不耕起栽培です。この方が、実は作物がよく育つということにまず驚きます。

そしてさらに驚くことに、信子さんの畑は大地の再生というやり方に基づき、畑をぐるっと囲むように溝が掘ってあります。この溝を水脈と呼んでいます。水脈を作ることで、畑のなかの水や空気の通り道を作ってあげるのだそうです。水や空気が畑のなかを自由に動き回るようになることで、畑の土は柔らかくふかふかになります。

水脈で囲まれている畑は、歩き方にも注意が必要です。溝のふちの部分を踏むとせっかくの水脈が崩れてしまうので、なるべくふちをふまないように、水脈に近づいたら大きくジャンプします。幸いにも子供用に木片で橋が渡されていたので、運動オンチな私は、そちらを使わせてもらうことにしました。

苗植えにも手順があり、決まりがあります。まずは、畝幅(うねはば)が80センチになるように向かい合わせに支柱を立てていきます。この80センチという幅は、信子さんが試行錯誤を重ねてたどり着いたベストな間隔ということでした。作業のためにしゃがんでも後ろの雑穀に当たらないので、傷をつけずにすむそうです。

畝幅80センチの支柱が立てられたら、向かい合わせでペアになった支柱ごとに高さ50センチくらいのところで紐を結びます。そして、その紐を頼りに、土の表面を1センチほどクワで削りとっていきます。起こしていないので、雑草の根っこなども当然そのまま残っています。いかにも自然そのままといった感じです。

それでも、表層1センチを削ることに専念していきます。

そして、雑穀ごとに決まっている株間で三角クワで穴を掘って、そこにセルトレーで伸び伸びと育った苗たちを投げ入れていきます。

セルトレーから簡単にスポっと苗ごととれるくらいが、畑に植えるタイミングです。スポっと気持ちよく取れるようになるためは、セルトレーの穴のなかで、根がグルグルと勢いよく回るくらいにはっていないといけません。今回の苗はまさしくその状態でした。

信子さんは、楽しそうに、いとも簡単にセルトレーからスポっと苗を取り出し、ポイポイ穴に苗を投げ入れていきますが、久しぶりにこの作業を任された私はそうはいきません。苗の土を崩さないか心配で、はじめはそうっと置いていました。

「大丈夫よ。もっとポンポン投げて。速さが大切なの」と信子さんはおっしゃいます。セルトレーから出した苗は一刻も早く土に植えてあげないと死んでしまうといいます。特にこの日は晴天で、太陽の日差しがさんさんと降り注ぎ、まぶしいくらいの暑さでした。だから、ポンポン投げて定植を終え、涼しい土のなかに根っこを速やかに入れてあげる必要がありました。そして、苗は、地面に向けて投げるくらいではダメージを受けないと経験上よくご存じだったのだと思います。

私が自然の力を8割がた信じているとしたら、信子さんはきっと100%信じているのだろうと思います。正しい知識を元に、自然に寄り添い、自然の理にかなうように、自然の力を信じて行動すること。「歓喜・信頼・感謝」という未来食の基本理念を未来食セミナーで講師として教えている信子さん。そんな信子さんの生きざまがそのまま雑穀栽培のレッスンにも表れていると感じました。

穴に投げ入れられた苗は、セルトレーに入っていたときの土の深さと同じくらいの高さになるように深さを調整して植えていきます。

お昼になる前に、参加したみんなで苗箱3箱分のもちきびを植えることができました。やる気満々の12人で一気に作業すると、さすがに早いです。

信子さんの自宅に戻ると、味噌ジャガキビごはんが炊きあがっていました。あとはドレッシングを仕上げたり、温野菜をお皿に盛りつけたりしてあっと言う間に完成です。使っている雑穀やお米は信子さんの畑や田んぼで採れたもので、どれも最高の味でした。つかの間の休息を楽しみながら、ランチを終えました。

午後は、信子さんからマイ畑を借りている方は、マイ畑に苗植えをし、マイ畑のない方は、信子さんの畑の苗植えをしました。一年間通しで参加できる方はマイ畑をお借りすることができるわけですが、マイ畑がなくて単発の参加でも十分楽しめるのが、この雑穀栽培レッスンの良さでもあります。

午後はまずどの雑穀をどんな順番で植えるか作戦会議をしてから、作業に入りました。背の低い雑穀から徐々に背の高い雑穀になるように、そして一番背の高い高キビまで植え終わったら今度は、徐々に背の低い雑穀になるように植えます。どの雑穀にも日の光が十分当たるように山になるように植えるのがベストとのことです。秋になって、それぞれの雑穀がたわわに実を実らせ、風が吹いて山になった雑穀たちが大きくうねるようにウェーブしていくのが目に浮かぶようでした。

株間も雑穀の種類によってずいぶん違います。うるちアワの株間は15センチなのに対し、高キビは30センチ。倍の間隔を空けます。なぜなのかは実際に作業してみてよく分かりました。繊細でやさしい感じのするアワの苗と比べて、高キビの苗はこの段階からもう、がっしりとした貫禄のある体格です。大きさも全然違います。うるちアワの株間で高キビを植えたら、高キビはあったという間にお隣さんとの距離が近くなりすぎて息苦しくなってしまうことでしょう。

(高キビの苗を植えたところ)

とにかくみんな、みーんな大きくなあれ!と思いながら、ひたすら植えて午後の作業を終えました。参加者のみなさんもそれぞれのペースで、苗植えを楽しんでいました。

中には、今日初めて来て、今日年間コースとマイ畑を同時に申し込む方もいらっしゃいました。途中で申し込んでも、種を直まきしたり、信子さんの苗を分けてもらったりして、マイ畑に参加できるとのことでした。途中からの方にもうれしいシステムです。

マイ畑は一度植えたら、あとは信子さんも見守るだけなんだそうです。月に一回、「雑穀の種まきから調整を楽しむ会2020」で草刈りや防鳥対策をする以外は基本的に何もしないとのこと。私が少し不安そうな顔をすると、信子さんは「五風十雨(ごふうじゅうう)」という言葉を教えてくれました。五日に一回風が吹いて、十日に一回雨が降れば、十分作物は育つ、という意味なのだそうです。ここでもやはり、大いなる自然に対する深い信頼感というのがキーになってきそうです。深い信頼があるからこそ、自然に寄り添った形で栽培ができるのだと思います。

不耕起栽培で、表層1センチを削っただけのところに植えたというのも重要なポイントだそうです。周りの刈り取った雑草に朝になると夜露が降りてくる。その水分で雑穀はよく育つとのこと。目からウロコが何枚も落ちそうなお話でした。お鍋のふたをしたら、あとは待つだけの未来食つぶつぶの調理法と通じるものがあると思いました。

最後に信子さん宅の広い庭で甘酒アイスを食べて、みんなで感想をシェアして解散になりました。みなさんの感想のなかで多く聞かれたのが、楽しかったという言葉でした。年間を通じて今回の苗植えが一番土に触れる作業になるそうです。みなさんそれぞれに土に触れる喜びを感じることができた様子でした。

次回は7月。今度は雑穀の回りに生えた雑草の草取りをします。信子さんいわく雑穀もだけど、雑草も伸びてすごいことになっているから楽しみに来てね!とのことでした。また有機の郷、埼玉県小川町の大自然の力をまざまざと見せつけてもらいにこようと思いました。

(つぶつぶマザー岩崎信子さんと私)

未来食つぶつぶ 畑へおいで! 主宰  岩崎信子
文責:つぶつぶ雑穀料理教室あずさ 主宰  丸山あずさ
写真提供:つぶつぶ会員 一泉百葉さん

 

未来食つぶつぶ 畑へおいで!のレッスン一覧はこちら
https://tubutubu-cooking.jp/schools/detail/34 »

 

雑穀栽培をより詳しく知りたい方へ、本やDVDのご紹介

雑穀の育て方について、詳しくは、下記の書籍またはDVDを参考にしてください。

育てて楽しむ雑穀 栽培・加工・利用(創森社)
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雑穀が未来をつくる(創森社)
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DVD郷田和夫の雑穀調整技法
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※ 雑穀のタネは、毎年4月中旬~5月いっぱいを目安に「未来食ショップ つぶつぶ」で販売しています。(農薬や化学肥料を使わずに栽培された在来種の種です。)

 

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つぶつぶは

  1. 私たちが雑穀につけた愛称
  2. 雑穀が主役のビーガン食スタイル「未来食」のこと
  3. 生命のルールにかなう生き方の提案
  4. 私たちフウ未来生活研究所の多彩な活動の愛称
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