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未来食つぶつぶ 公式ブログ

【ベジタリアンを知る vol.16】ガンジーのベジタリアニズムと健康論

*この投稿は以前発刊していた会報誌『月刊つぶつぶ』より連載シリーズ「ベジタリアンを知る」から一部編集して掲載しています。連載一覧はこちら

NPO法人日本ベジタリアン協会代表 歯学博士 垣本充
執筆:NPO法人日本ベジタリアン協会代表 歯学博士 垣本 充

ベジタリアニズムのルーツ「アヒンサー(非暴力、不殺生)」

歴史上の偉人の中で、インド独立の父と呼ばれるマハトマ・ガンジー(マハトマは尊称で「偉大なる魂」という意味)は、ベジタリアンとして有名です。歴史上という表現を用いましたが、第2次世界大戦後に英国の植民地支配からインド独立を実現した5カ月後に狂信的なヒンドゥー原理主義者によって襲撃されて亡くなったのは1948年で、今からわずか60数年前の出来事です。

彼、モハンダース・カラムチャンド・ガンジーは1869年に英国領インドのグジャラート州で生まれ、18歳で渡英してユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(現ロンドン大学)で学び弁護士の資格を得た後、南アフリカ連邦(現南アフリカ共和国)で弁護士として働くかたわら、公民権運動に参加しています。

その後、英国からのインド独立運動を指揮。暴動ではなくアヒンサー(非暴力、不殺生)による無抵抗主義によってインド独立を成功に導きました。このアヒンサーはインドの宗教的教義によるベジタリアニズムのルーツとされています。

英国では、この時代、1947年に英国ベジタリアン協会(VSUK)が創設され、ラテン語の「心身とも生き生きとした」を意味するベゲトゥスを語源としてベジタリアンという言葉が誕生し、それ以降、「肉を食べない人の総称」としてベジタリアンという言葉が使われるようになりました。

1944年には、植物性食品のみを食べる人たちが英国ビーガン協会を設立して、自らをビーガンと称しました。19世紀半ばからの約100年は、近代菜食運動の創成期から最盛期を迎える一大世紀だと言えます。

彼は、もともと肉食を忌避するヒンドゥー教徒でしたが、渡英した19世紀後半はまさに近代菜食運動が活発に行われていた時期で、ロンドン・ベジタリアン協会(現英国ベジタリアン協会)の会員となり、西洋型ベジタリアニズムも学びました。協会会員で社会改革者であり後のアニマルライツ思想に大きな影響力を残したヘンリー・ソルトを尊敬し、彼は自身の著書で、私にベジタリアニズムの正しさを教えてくれたのは、ヘンリー・ソルト著の『菜食主義の擁護』であると記しています。

治療より予防、人間は菜食をするようにできている

ガンジーの名言は数多くありますが、ここでは、ガンジー自身が記した文書を翻訳された岡芙三子さん(日本ベジタリアン協会評議員)著の『ガンジーの健康論』(編集工房ノア)より、健康について述べられている個所を紹介したいと思います。

第1章「健康の法則」では、冒頭、「治療より予防」ということがよく言われます。自分の無知や不注意から病気になった後で治療するよりも、健康の法則を守って病気にならないようにする方が、ずっと簡単で安全でもあります。だから健康の法則を正しく理解することは、思慮深い人々の義務です。

第13章「菜食」では、人体の構造を考慮すると、人間は菜食をするようにできていることがわかります。人間と、果実を食っている動物の内臓は非常によく似ています。たとえば、果実を常食としている猿の歯や内臓は人間とそっくりですが、ライオンや虎などの肉食性の動物は全く違っています。

人間と乳牛などの草食性動物の内臓には共通点がありますが、肉食性の動物の腸はもっと大きくて形が違います。こんなところから、多くの科学者が人間は肉ではなく、野菜、それもすべての野菜というより、根菜と果実を常食するように生まれついているという結論を出しています。(太字は『ガンジーの健康論』原文どおり)

ガンジーの食生活は、豆類、果実、山羊乳、蜂蜜などが主なものだとされています。彼が貫いた東洋思想のアヒンサー、西洋思想のアニマルライツに基づいた「生きとし生けるものの命を奪わない生き方」は、地球上のあらゆる生命に出来るだけ苦痛を与えずに共存したいとする「ベジタリアンのライフスタイル」の真髄と言えるのではないでしょうか。


NPO法人 日本ベジタリアン協会
日本ベジタリアン協会は、1993年4月設立、2001年2月に特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を受けた非営利団体です。「人と地球の健康を考える」をテーマに菜食とそれに関連した健康、栄養、倫理、生命の尊厳、アニマルライツ、地球環境保全、発展途上国の飢餓などの問題に関する啓発や奉仕を目的とし、菜食に関心のある人々に必要な知識や実践方法を広め、共有していくためのネットワークづくりを行なっています。
HP:
http://www.jpvs.org/

 

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