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きび(黍)の栽培方法


前回の「アマランサス」に続いて、今回は「きび」の畑の準備~種まき~草取り・間引き・土寄せまでをご紹介します。(出穂(しゅっすい)と開花、鳥害・害虫・病気の対策、収穫と乾燥については、別記事でお伝えします)

きび(黍)って、どんな雑穀?

中央アジアで広域に栽培されてきたきびは、日本でも弥生時代には栽培されていました。その実がきれいな黄色をしているため、「黄実」「キミ」「キビ」と変化したとも言われます。ウルチ種とモチ種がありますが、もちキビが生育するのは中国、日本などの東アジアだけです。

ヨーロッパというと、ほとんどの人が麦の文化圏と信じているようですが、じつは、小麦は中東から伝わった食で、庶民の主食はきび粥でした。平たいパンもキビで作り、キビは麦よりおいしい穀物とされていました。

雑穀の中でもキビの鮮やかな黄色は、カテキン類のポリフェノールで、強い抗酸化力を持っています。またキビのタンパク質には、血液中の善玉コレステロールを増やし、動脈硬化や血栓ができるのを防ぐ効果があることが発表されています。

もちきびについて詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
もちきびとは? もちきびの栄養、効能など

栽培の特性

地方によっては「稲(いな)キビ」と呼ぶところもあるように、その稔った姿は、イネにとても似ています。

アワ同様、春まき種と夏まき種があります。また生育期間が約110日、品種によっては約90日と、他の雑穀に比べて短く、かつ幅があるため、温帯寒冷地から熱帯まで広い地域に適応します。夏に高温になる地方なら、北海道などかなり高緯度の寒冷地でも栽培できますし、地方によっては春まき夏どり、夏まき秋どりの両方が可能です。

キビは、根が太く、土中の深いところまで伸びて、土の中の水分を吸収し、かつ葉からの水分蒸散率も少ないことから、雑穀の中でも特に乾燥に強いです。一般に植物が嫌う酸性土壌にも耐えます。

また深く根を張り、吸肥力が強いので、適量の肥料を与えれば、効率よく栄養分を吸収して大きく生長します。しかし、逆に肥料分が多いと、伸びすぎて倒れやすい、害虫の芯食いにもあいやすい、連作にも耐えにくくなるので注意が必要です。乾燥に強い反面、湿気に弱いので、水はけのよい、地力のある畑を選ぶと良いでしょう。

キビは、イネと同じく茎が円筒形で空洞。表面に長くやわらかい白い毛が密生しているのが特徴です。葉にも毛が見られます。分けつ(株分かれ)し、生長すると背丈は170センチほどになります。穂の形は稲と同じで、長く伸びた主軸に、花柄のついた花が間をおいてつきます。稔った実は脱粒(粒が落ちる)しやすく、収穫適期が短いので注意が必要です。

きびの種


きびの穂

キビの育てかたと手順

1.畑の準備

まず、平鍬または管理機で、キビを栽培する畑を土起こし(耕起)します。種を蒔く位置(列)を決め、鍬で深さ10センチの溝を掘り、完熟有機肥料を入れて土を戻します。隣の列との間は60~90センチ程度が目安です。

小規模の場合は、種を蒔く場所の真下に肥料を入れるようにし、割り箸などを立てて目印にします。

肥料は、できれば植物性の自家製ボカシ肥がいいです。米ぬかや油かすなど一般の有機肥料を元肥として入れる場合は、種まき(あるいは苗を植えつける)日の1週間から10日前に済ませます。

一般的に種を蒔く時期は、土がよく乾いた5月下旬ごろを目安にすると良いでしょう。

(ボカシ肥料の作り方は、下記書籍のP.78,79に写真付きで詳しく紹介しています。)

2-1.種を畑に直接まく方法

畑に直接種をまく、直播(じかまき)の方法をお伝えします。

種を蒔く列の両端に棒を立て、糸を張って、種まきの目印とします。肥料を入れて平らにならした土に、深さ1センチの穴をあけ、種を4~5粒ずつ落としていきます。とかく多く入りすぎることが多いので、注意が必要です。

株間は15~20センチとします。なお、種は1アールあたり200ccくらいを準備します。

種を蒔いたら、土をかけ、手または足で軽く踏んでおさえます。強く踏みすぎると、出芽の妨げとなり、欠株になる場合があります。雨が降った翌日や、雨が予想される前日に種まきすれば、発芽までは土中にある水分で十分。種まき後に水やりをする必要はありません。

きびキ発芽後50日

2-2.苗を育ててから畑に植えつける方法

セルトレイという、小さい穴がたくさん並んだ育苗(いくびょう)パネルに種まきし、ある程度の大きさの苗に育ててから畑に植えつける方法もあります。

種を蒔く時に十分に水をかけた場合は、発芽した後の水やりは、乾きすぎない程度にします。水をやりすぎて、苗の生育を悪くしやすいからです。

(育苗のやり方は、下記書籍のP.15~18に写真付きで詳しく紹介しています)
※ ただし、キビは分けつするので、セルトレイで育苗中に3本に間引きます。

育てて楽しむ雑穀 栽培・加工・利用(創森社)

育てて楽しむ雑穀 栽培・加工・利用(創森社)

3.間引き・草取り・土寄せ

畑に種を蒔いた場合は、種まきから2~3週間し、10センチほどになったら、小さくて弱いものを間引いて一株3本にします。1本から2~3本に分けつするとして、最終的には一株 6~9本になります。

間引き方は、周りの土を片方の手で押さえ、間引きする苗の根元を指ではさみ、地面に水平に引っ張ります。垂直に引っ張ると残すものも一緒に抜けてしまうので、垂直には引っ張らないのがポイントです。

セルトレイで育苗する場合は、引き抜くのではなく、間引く苗を慎重に根元からハサミで切ります。

除草は、直播の場合は、間引きまでに1回、その後3回の合計4回、育苗した場合は、植え付け後に3回行います。まず、背丈が20センチくらいになったら、周囲の草を手で抜き取るか、草かきで根っこから削り取ります。2回目と3回目の除草は、列間を耕しながら土寄せ兼ねて行う「中耕(ちゅうこう)・培土(ばいど)」です。背丈が30~40センチになったら、列の間を管理機または平鍬などで耕し、その土を株元に寄せます。キビは倒れやすいので、この時期のしっかりとした土寄せが大切です。高さが50~60センチになったらもう一度「中耕・培土」します。株間も適宜草取りしてください。

雑穀栽培をより詳しく知りたい方へ、本やDVDのご紹介

雑穀の育て方について、詳しくは、下記の書籍またはDVDを参考にしてください。

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雑穀が未来をつくる(創森社)

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DVD郷田和夫の雑穀調整技法

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